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十如是の理論

十如是

 妙法蓮華経の方便品に、十如是が説かれている。庭野日敬師の現代語訳で見てみよう。

 「この世のすべての現象(諸法)には、もちまえの相(すがた形)があり、もちまえの性(性質)があり、もちまえの体(現象のうえでの主体)があり、もちまえの力(潜在能力)があり、その潜在能力がはたらきだしていろいろな作(作用)をするときは、因(原因)・縁(条件)によって千差万別の果(結果)・報(あとに残す影響)をつくりだすものであるが、それらの変化はただひとつの真理にもとづくものであり、現象のうえでは千差万別に見えるけれども、その相から報まではつねに等しい(本末究竟等)のである」(庭野日敬著『法華三部経 各品のあらましと要点』佼成出版社/p.32)

 ビジネス縁起観は、人間についてまた人間関係について深く考えようとしている。その観点から、十如是の内容を検討してみよう。

  

個性

 人は「もちまえの相(すがた形))」を持っている。その人には「もちまえの性(性質)」がある。そのようなすがた形をしそのような性質持っているその人が「もちまえの体(現象のうえでの主体)」である。「もちまえの体」は「行為主体」とも言われる。「現象上の主体(行為主体)」としての人は、他の人と関わり合いながら刻々と変化していく。

 「もちまえの体」を持つ人は、「もちまえの力(潜在能力)」を持っている。

 ここまでが一人の人間の内容である。その人独自の内容であるから「個性」と言ってもよい。

  

作用

 「潜在能力がはたらきだしていろいろな作(作用)をする」とある。人間の作用は、身の振る舞い・言葉の振る舞い・心の振る舞いである。

 振る舞いがあるということは、潜在能力があるということである。潜在能力があっても必ずしも振る舞いになるとは限らないけれども、潜在能力がないものは決して振る舞いにはならない。

 振る舞いはその人の性質に応じた内容を示す。のんびりした人の振る舞いと、せっかちな人の振る舞いはまったく異なっている。

  

原因・条件・結果・影響の原理

原因・条件・結果・影響の原理の図

 釈迦牟尼世尊が覚った「縁起」が、ここでは「因(原因)・縁(条件)によって千差万別の果(結果)・報(あとに残す影響)をつくりだす」と述べられている。

 私の言葉で言えば、「ものごと(原因)とものごと(条件)が関わり合うと、そこからまたものごと(結果)が起こる。起こったものごとは、また他のものごとと関わり合ってさらにものごと(影響)が起こる」となる。概念図を示しておく。

 ビジネス縁起観では、これを「原因・条件・結果・影響の原理」と名づけている。釈迦牟尼世尊の教えのすべてが「縁起」から生まれる。これをそのまま踏襲して、ビジネス縁起観の理論とノウハウのすべては「原因・条件・結果・影響の原理」から開発するようにつとめている。

  

人間関係の原理

 「原因」「条件」を人間と人間の接触や関わり合いと見て、その後の「結果」「影響」を考えることができる。このとき、自分を「原因(または条件)」とし他の人を「条件(または原因)」として「結果」「影響」を考えるとき、これを「人間関係の原理」と呼ぶ。

  

整合

 十如是の締めくくりに、「それらの変化はただひとつの真理にもとづくものであり、現象のうえでは千差万別に見えるけれども、その相から報まではつねに等しい(本末究竟等)」とある。

 ここで「等しい」とは、「整合している」「矛盾が無い」という意味である。

 十如是の導きにしたがって、ものごとを澄みきった理性で精緻に観察したときに、十如是の各要素の間に整合性があり矛盾がないときは、ものごとをありのままに見たといえる。

 整合性が欠けていたり、矛盾が見られたりすれば、ものごとをありにままに見たとはいえない。

  

目の前の人

 相(すがた形)

その人のすがた形を観察する。

 性(性質)

 その人の性質を観察する。

 体(現象のうえの本体)

こういうすがた形をしてこういう性質を持っているこの人として認識する。

 力(潜在能力)

この人は何らかの能力を持っている。

 作(作用)

 能力は、身の振る舞い・言葉の振る舞い、心の振る舞いとして表れてくる。

 因・縁・果・報(原因・条件・結果・影響)

 自分が原因ならその人は条件である。その人が原因なら自分は条件である。自分とその人との関わり合いから何ごとかが起きたり移り変わったりする。さらにものごとは進展していく。そのさまを観察する。

 本末究竟等

 この人の相から報までの内容が整合していて矛盾がないことを確かめる。整合し矛盾がなければ事実を正しく認識している。

 このようにして、目の前の人をよく理解することができれば、自分がどのようにすれば、この人との間に良い関係を築くことができるかを考えることができる。

 十如是で人やものごとを観るときは、できるだけ澄みきった理性で、先入観をまじえず、冷静に観察することを心がけるべきである。