原因・条件・結果・影響の原理から見た 現代科学と仏教
原因・条件・結果・影響の原理
「原因・条件・結果・影響の原理」は、釈迦牟尼世尊が説かれた「縁起の法」の。現代的表現です。
あらゆる事象は、この原理によって動いています。
- 原因
- ものごとが起きるには、必ず「原因」があります。
しかし、原因だけでは何も起きません。
- 条件
- ものごとが起きるには、必ず「条件」があります。
しかし、条件だけでは何も起きません。
- 結果
- 「原因」と「条件」が触れ合うと、必ず、なんらかのものごとが起きます。
起きたものごとを「結果」と言います。
- 影響
- 「結果」が、それだけで終わることはありません。
必ず、あとあとに「影響」を残します。
現代科学
現代科学は、ものごとを観察、観測、実験などを行って、ものごとにおける原因・条件・結果・影響の関係を見出します。
その目的は、客観的な立場から、ものごとの事実を明らかにし、その事実における法則を明らかにすることと言っていいでしょう。
研究対象によって、自然科学、人文科学、社会科学というように分類されています。
事実と法則が明らかになれば、これを利用して、さまざまな技術の開発を行うことができます。
仏教
仏教では、自分の心身における原因・条件・結果・影響の関係を観察し、それによって身心を整えようと努力します
また、自分と他の人との間における原因・条件・結果・影響の関係を観察し、それによって人間関係を整えようとします
それは、苦しみ悩みを解決して、幸せを目指そうとする努力です。
現代科学と仏教
現代科学も仏教も、ものごとの原因・条件・結果・影響の関係を見出そうとする点で、共通しています。
しかし、上記に見るように、対象と目的は異なっています。
ここから、現代科学の果たそうとしている役割と、仏教が果たそうとしている役割には違いがあると、見ることができます。
互いに、それぞれの役割を尊重しつつ、協力していくことによって、人類の発展に寄与することができると思います。
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